2025年1月14日、ソニーグループ傘下のブロックチェーン関連3社(Sony Block Solutions Labs、S.BLOX、SNFT)が、Web3技術を活用した包括的なソリューションの提供を発表しました。同時に、都内で行われた発表会では、ソニーがWeb3に取り組む理由や具体的な方針について説明がありました。
ソニーのWeb3事業の概要
- Web3事業への参入背景:
- ソニーは投機的なイメージが強い従来のWeb3を脱却し、文化的価値の向上や感動の共有を実現することを目指す。
- Web3をエンターテインメント体験の新たな共有方法として捉え、安全でオープンな技術基盤を提供。
- 新たなプラットフォームとサービス:
- 「ソニューム (Soneium)」: ソニー独自のパブリックブロックチェーンで、2024年に一般公開。
- 「S.BLOX」: 暗号資産取引プラットフォームを刷新し、よりセキュアで多機能なサービスを提供予定。
- 「SNFT Fan Marketing Platform」: NFTを活用した法人向けプラットフォームで、ファン施策や分析をワンストップで提供。
Web3の可能性とソニーの方向性
- Web3の文化的意義:
- Web3技術は、中世ヨーロッパ絵画や日本の茶器の「裏書き」のように、所有権の証明や文化的価値の保存に類似。
- エンタメの感動を共有し、「推し活」をより深く記録・証明する手段として重要。
- ファン活動の進化:
- ブロックチェーンを活用して、コンサート参加回数やコミュニティ貢献度など、ファンの活動を可視化。
- 活動記録を基に、ファンとクリエイターの共創を促進。
- 非中央集権型システムの尊重:
- Web3の「非中央集権型」の特性を活かしつつ、ソニー独自の体験価値を提供。
- インターネット初期と同様、ユーザー拡大を見据えたシステムの設計を進行。
主な取り組みと事例
- 「Fan Marketing Platform」の活用例:
- ソニー・ピクチャーズ: 対象作品購入者向け限定コンテンツ提供キャンペーン。
- ソニー・ミュージックフランス: コミュニティ限定のNFT配布。
- ソニー・ミュージックジャパン: ガールズグループとのライブ連携NFT配布。
- トークンとNFTの活用:
- コンサートやライブイベントとの連携。
- ファンの活動や応援の「証明」としての利用。
今後の展望
- S.BLOX: モバイルアプリのリリースや対応通貨の拡大を予定。
- SNFT: NFT発行プラットフォームの法人展開を強化。
- Web3インフラの拡大: 他社との協力によるWeb3技術の普及と、体験価値の向上を目指す。
ソニーはWeb3を通じて、ファン活動やクリエイターの価値を高める新しいエンターテインメント体験を提供することを目指しています。この取り組みがどのように進化するか、注目が集まっています。
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