トヨタが静岡県裾野市に構築中の未来型都市「Toyota Woven City」が、2025年秋にオープンする予定であることが発表されました。この実証都市は、「モビリティの拡張」と「持続可能な社会」の実現を目指した革新的なプロジェクトであり、2020年の構想発表以来、着実に進行しています。
フェーズ1の進捗と次のステップ
2021年に建築が始まった「Woven City」では、フェーズ1の建築が2024年10月末に完了しました。このフェーズでは、旧東富士工場の建屋を一部活用し、新しいモノづくりの起点としてリノベーションされています。現在は内装工事やインフラ整備が進行中で、2025年秋に正式オープンを迎える予定です。
また、フェーズ2の造成工事もすでに開始されており、将来的には敷地面積を約708,000㎡に拡大し、多くの住民や企業が参加可能な都市へと成長する計画です。
実証実験の場としての「Woven City」
「Woven City」は、企業や研究機関に実験の場を提供することを目的としています。トヨタをはじめ、さまざまなパートナー企業が参加し、以下のようなテーマで実証実験が行われる予定です:
- 空調技術(ダイキン工業): 花粉レス空間やパーソナライズ空調の実証
- 自動販売機の新価値創造(ダイドードリンコ)
- 食環境の研究(日清食品): 新たな食文化の創造と影響の検証
- 未来型カフェ(UCCジャパン): 新しいコーヒー文化の実証
- 教育スタイルの革新(増進会ホールディングス): データ活用を基盤とした教育の実現
さらに、スタートアップや大学・研究機関との連携も進められる予定で、2025年夏にはアクセラレータープログラムの募集が開始されます。
「Weavers」としての住民とビジター
「Woven City」の住民およびビジターは「Weavers」と呼ばれ、都市内の実証実験へのフィードバックを提供する役割を担います。オープン時点では、トヨタおよび関連企業の関係者約100名が生活を始め、将来的には住民数を2,000名程度に拡大する計画です。また、2026年度以降には一般参加者も受け入れ予定です。
モビリティの未来を見据えた挑戦
トヨタは「Woven City」を「モビリティカンパニーへの変革」のテストコースと位置付けています。陸・海・空を超えて「宇宙」にも視野を広げ、モビリティ技術を社会全体の利益へとつなげることを目指しています。この一環として、宇宙開発企業「インターステラテクノロジズ」への70億円規模の出資も行われており、ロケットの量産化支援を進めています。
「Woven City」の概要
- 所在地: 静岡県裾野市御宿1117(旧TMEJ東富士工場跡地)
- 敷地面積: 現在5万㎡(将来的には約708,000㎡)
- 主要参加企業: ダイキン工業、ダイドードリンコ、日清食品、UCCジャパン、増進会ホールディングスなど
「Woven City」は、トヨタが目指す持続可能な未来社会の象徴ともいえるプロジェクトであり、今後の展開にさらなる期待が寄せられています。
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