マイナンバーカードの機能をスマートフォンに搭載する「スマホ用電子証明書搭載サービス」において、新機種での対応が遅れている問題が浮上しています。2024年に発売されたGoogle Pixel 9シリーズやGalaxy A55など、最新機種の一部が非対応となっており、利便性に影響を与えています。
スマホ用電子証明書搭載サービスとは

スマホ用電子証明書搭載サービスは、マイナンバーカードの電子証明書をスマートフォンに内蔵することで、利用者がカードを毎回読み取る必要をなくし、スマートフォンだけで様々な手続きが可能になるサービスです。この機能により、マイナポータルへのログインや署名用電子証明書を利用した情報送信などが実現します。
電子証明書はAndroid端末のセキュアな領域に保管され、「GP-SE(セキュアエレメント)」を活用した高いセキュリティを確保。これにより、不正使用や偽造のリスクを最小限に抑えています。
現状の問題

デジタル庁の第三者検証に時間がかかり、新機種対応が遅れるケースが発生しています。
- Google Pixel 9(8月発売)
- Galaxy A55(5月発売)
- Motorola Edge 50 Pro(7月発売)
- Galaxy Z Fold6(7月発売)
- Xperia 10 VI(7月発売)
- Galaxy S24 FE(12月発売)
デジタル庁の対応

デジタル庁は、「有識者検討会で改善を検討している」とし、対応の迅速化に向けた取り組みを進めています。現状では「2025年1月下旬以降」の対応が予定されており、最新機種への機種変更を行うとサービスが利用できなくなる可能性があるため、注意が必要です。
iPhone搭載計画と今後の展望

- 2025年春にiPhoneへマイナンバーカード機能が搭載される予定。
- Face IDを使用して電子証明書を呼び出し、マイナ保険証として利用可能。
- Androidでは、新機種対応の遅れが引き続き問題となる可能性があり、iPhoneとの格差を避けるためにも、体制の迅速な構築が求められます。
マイナ保険証への対応

2025年春には、マイナ保険証のスマートフォン対応が実現予定。
- iPhone:Face IDとAppleウォレットで利用。
- Android:スマホ用電子証明書を活用し、4桁の暗証番号入力で利用。
厚生労働省は、iPhoneとAndroidの双方で同時期に利用可能にする方針を示しており、物理カードの必要性を軽減する予定です。
スマホ用電子証明書搭載サービスの利便性向上には、デジタル庁の体制強化が不可欠です。特にiPhone対応の進展に伴い、Android新機種への対応の遅れが目立たないよう、迅速な対応が求められています。これにより、行政のデジタル化と国民の利便性向上を実現することが期待されています。
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