南海本線 泉佐野~和歌山市区間、ワンマン運転を2025年3月開始

南海電鉄は、南海本線の泉佐野駅~和歌山市駅間において、2025年3月22日から一部の普通列車(4両編成、8300系車両)でワンマン運転を開始すると発表しました。ワンマン運転の導入は、乗務員不足が予想される中で運行体制を維持するための取り組みです。


ワンマン運転導入の背景と経緯

南海電鉄では、少子高齢化による生産年齢人口の減少を見据え、乗務員の確保が困難になる状況に対応すべく、効率的な経営資源活用を目指しています。ワンマン運転は、すでに支線区間や高野線の一部区間で実施されており、今回の泉佐野~和歌山市間での導入はその延長線上にあります。


安全対策と新システムの導入

ワンマン運転に向けて、以下の安全対策が実施されています。

  1. 車両側面カメラの設置
    • 1両あたり4台(片側2台)のカメラを搭載し、車両側面とホームの状況を運転席のモニタに表示。
    • 夜間や悪天候時でも鮮明に映像を確認可能。
  2. 進出用非常通報装置の設置
    • 泉佐野~和歌山市間の全14駅(計89カ所)に設置。
    • 運転士が発車時に動作を確認できるよう、視認性の高い場所に配置。
  3. 誤開扉防止装置
    • 運転士が誤ってホームのない側の扉を開ける操作をしても扉が開かない仕組みを導入。

対象列車と運行体制

ワンマン運転の対象は、8300系車両を使用する4両編成の普通列車の一部に限定されます。ただし、以下の列車は対象外です。

  • 特急、急行、空港急行、区間急行、準急
  • 6両編成で運行する普通列車
  • 一部車掌が乗務する普通列車

今後どうなるのか?

2022年6月から開始された車両側面カメラの試験運用を経て、今回の導入に至った南海電鉄の取り組みは、鉄道業界における効率化と安全性の両立を目指す重要な事例といえます。将来的な需要変化に柔軟に対応しつつ、安全で快適な運行サービスを提供していく方針です。

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