日本航空(JAL)は、航空機の脱炭素化に向けた取り組みとして、ボーイング787-9型機(JA868J)の機体に“サメ肌”形状のリブレット塗膜を採用しました。この新技術を用いた航空機は、2025年1月中旬より国際線で運航を開始し、燃費改善効果を検証します。
リブレット形状塗膜の概要
1. リブレット形状とは
- サメの肌にヒントを得た微細な溝構造。
- 機体外板に空気の流れに沿った溝を形成し、飛行時の空気抵抗を低減。
2. 塗膜方式の利点
- 塗膜自体にリブレット形状を直接形成する方式を採用。
- 従来のデカールやフィルムによる加工と比較して以下のメリットがある:
- 重量軽減: フィルムや接着剤を不要にすることで、機体の総重量を抑制。
- 耐久性向上: 長期間の使用でも効果を維持可能。
燃費改善と環境負荷の削減
- 抵抗低減効果:
- 巡航時の抵抗低減率は0.24%。
- 期待される効果(1機体あたり年間):
- 燃料削減量: 約119トン。
- CO2排出削減量: 約381トン。
技術背景と今後期待すること
技術開発の経緯
- JAXA:
- 風洞試験でリブレット形状の抵抗低減効果を確認。
- オーウエル:
- 大型機材への適用を可能にする施工システムを開発。
適用範囲の拡大
- リブレット塗膜の施工範囲は胴体上部まで拡大。
- 長距離飛行に適したボーイング787-9型機を使用することで、国際線運航時の効率向上が期待される。
持続可能な航空の一歩
JALは、航空業界の脱炭素化を目指す取り組みの一環として、この新技術を導入しました。将来的には、より多くの機体への適用が期待されており、燃費改善やCO2削減に向けたモデルケースとなる可能性があります。
新たな技術がもたらす環境負荷低減の成果に注目です!
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