2025年 宇宙開発の最新動向 ー 日本と世界の挑戦

2024年、日本はついに月面着陸を達成し、新型基幹ロケット「H3」の運用開始に成功しました。また、国際月探査計画「アルテミス計画」においても、日本人宇宙飛行士が月面着陸の機会を得るなど、大きな進展を遂げました。2025年は、日本と世界がさらなる挑戦を続ける年となりそうです。以下では、日本と世界の宇宙開発の重要なトピックを見ていきます。


1. 日本の月面探査と新たな挑戦

アルテミス計画と日本人宇宙飛行士の月面着陸
2024年に続き、2025年も日本は「アルテミス計画」において月面探査を進めます。NASAの「ルナ・トレイルブレイザー」や民間企業Intuitive Machinesの「IM-2」着陸機による探査活動が予定されており、日本のダイモンが開発した超小型ローバー「YAOKI」も搭載されます。このような国際的協力の中で、日本の技術と知見が重要な役割を果たします。


2. 米国主導の宇宙開発の方向性

NASAの新リーダーシップと課題
トランプ政権下でNASA長官に指名されたジャレド・アイザックマン氏が、気候変動対策や月面探査計画を推進すると同時に、SLSロケットの開発費削減などの課題に取り組む予定です。また、SpaceXによるスターシップの開発が加速する中、月面着陸機「HLS」の実証実験も注目されています。

新たなミッション
NASAの「Blue Ghost」着陸機や日本の「RESILIENCE」着陸機が月面探査に挑むほか、米国主導の国際宇宙ステーション(ISS)ミッションでは、日本人宇宙飛行士の大西卓哉さんがコマンダーに就任する予定です。


3. 民間企業の宇宙探査参入

日本の民間企業の進展
日本企業も民間宇宙探査に積極的に取り組んでいます。2024年に成功したJAXAの「SLIM」には、タカラトミーとソニーが開発した「Sora-Q」が搭載され、民間企業の技術力が世界的に注目されました。2025年も、民間主導のプロジェクトがさらに増加すると見込まれています。

グローバルな競争
SpaceXに続き、中国や欧州の企業も再使用ロケットの開発を進めています。ニュージーランドのRocket Labによる「Neutron」、中国のSpace Pioneerによる「天龍3号」など、新技術が次々と登場する予定です。


4. 新型ロケットと衛星ミッション

H-IIAのラストフライト
日本の大型ロケット「H-IIA」は2025年に最後の打上げを迎え、GOSAT-GW衛星を搭載する予定です。一方、新型ロケット「H3」のさらなる試験と運用も進行中で、打上げコストの大幅な低減を目指しています。

衛星コンステレーションの拡大
通信衛星の分野では、SpaceXのStarlinkやAmazonのKuiperが注目されています。また、日本でも防衛省がSAR衛星の活用を進める計画です。


5. 世界と日本の宇宙政策の展望

国際協力と競争の中での課題
アルテミス計画の遅延や予算削減など、各国の宇宙政策には課題が山積しています。一方で、宇宙デブリ対策や軌道上の安全性確保といった国際的な取り組みも進行中です。

日本の宇宙戦略基金
日本政府は2024年に始まった「宇宙戦略基金」を通じて、技術開発や企業支援を加速しています。この基金を活用して、ロケットの高頻度打上げや衛星コンステレーションの構築が進む見込みです。


2025年の宇宙開発は、技術革新と国際協力の新たなステージに突入します。日本と世界がどのように未来の宇宙を切り拓いていくのか、引き続き注目される一年となるでしょう。

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