パンや土、ワイン、コンクリートからも…地球上のあらゆるものが電力源に? 発電の先を行く究極のクリーンエネルギー「超小集電」
■「いざというときの生命維持装置」にも──水や土や食べ物などから電力を得る「超小集電」で、電力を自給自足するオフグリッドな暮らしを目指す
土の入った容器に一対の電極を挿すと、LEDに小さな光がともった。
土の種類を変えると光の点滅するリズムが変わり、まるで声を発しているようである。「土は生きている」という言葉を思い出す。
【動画】土から電気を集めて光り続ける茨城県の実験施設「KU-AN/空庵」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/sdgs/2025/03/543994_4.php
これは、東京都千代田区のトライポッド・デザインが開発した「超小集電」の技術。
自然界に存在するものを媒体に、微小な電気を収集する。
電力を生成する過程で二酸化炭素を一切排出しない上、天候・時間帯にも左右されない。
まさに究極のクリーンエネルギーだ。
超小集電は、イオン化傾向が異なる2種類の金属を使って電気エネルギーを得るボルタ電池やダニエル電池の理論に沿って発想された。
イオンになりやすいほうの金属がマイナス極で電子を発生させ、プラス極へ移動する際に電気が生成される仕組みだ。
同社代表取締役の中川聰によると、地球上に存在するあらゆる物質を用いて電気を取り出せる可能性がある。
これまでに河川や土壌、パン、ワイン、コンクリートなど、3000種以上の物質が電解質として集電可能であることを実証した。
同社は独自の集電装置を開発し、効率的に集電することで、日常生活への活用を目指す。
現在、スマートフォンへの充電が可能なレベルまで技術は向上している。
中川はデザインやセンシング技術の専門家だ。
ユニバーサルデザインを追求する過程で「エネルギーも多様であるべき」との考えにたどり着いた。
現在、世界では約8億人が夜間の学習や就労、医療の提供が制限される「未電化地域」で生活しているとされる。
日本でも災害発生時に送電網から電力が供給されなくなる可能性があり、対岸の火事ではない。
■多様な活用法に期待
超小集電のキーワードは「自給自足」。
その土地に存在するあらゆる自然物を利用できるため、「いざというときの生命維持装置」として実用化への期待が高まる。
挑戦の第一歩である茨城県常陸太田市の「KU-AN/空庵」は、木製の超小集電装置1500個に詰めた土壌を介し、800個のLEDが点灯する実験施設だ。
2021年7月の開設以来、のどかな山間に浮かぶ優しい明かりは、送電網から独立してともり続けているという。
このほかIoT技術との連携により、活用の幅はさらに広がるだろう。
例えば、農作物に被害を与える鳥獣の捕獲、空き家や文化財のセキュリティー対策での活用を目指し、現在研究が進められている。
超小集電装置で集めた電気をセンサーに送り、動物が罠にかかったり、侵入者を検知したりした場合、スマートフォンへ通知する仕組みだ。
IoT技術によって電気の通っていない場所でのセンシングを可能にすることで、担い手の負担軽減に大きく貢献する。
「われわれが目指すのは、電力を自給自足するオフグリッドな暮らしの実現。
超小集電の技術は、今まで当たり前のように利用してきた電力への意識を変えるきっかけにもなると思います」と中川は語る。
自然科学と先端技術を高度に融合させた超小集電。
身近な自然物から生まれる小さな電気が自然環境を守り、停電・災害時の備えとなり、未電化地域で暮らす人々の希望となる──。
そんな未来に期待が止まらない。
引用元: ・パンや土、ワイン、コンクリートからも…地球上のあらゆるものが電力源に? 発電の先を行く究極のクリーンエネルギー「超小集電」 [ごまカンパチ★]
電力が不要になる時が来そう
質量はエネルギーに変えられる
そういう意味で宇宙には無限大のエネルギーが存在する
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