大阪では名門高の定員割れや貧相な給食に悲鳴…「無償化は特効薬にならない」各地の施策が示す現実
https://president.jp/articles/-/93603
2025/04/01 9:00
PRESIDENT Online
■授業料を無償化した都立大に志願者は殺到しなかった
3月下旬。大学入試の季節も終わり、おおよその結果が出揃ったところに、聞き捨てならない話を耳にした。
「東京都の高校授業料無償化の延長で学費が無償となった都立大で、教員たちは『さぞかし志願者が殺到し、倍率も爆増するのだろう』と今冬の入試に身構えていたのですが、無償化の認知不足や立地、専攻マッチングの問題もあってか、全体の志願者の伸びは例年の1.2倍強程度で、爆発的な人気とはならなかったんです」
えっ。無償で大学へ通えると聞いたら、そりゃ志願者殺到に違いなかろうと思うのが人情というものだが、学生たちはそうは判断しなかった、ということなのだ。もちろん無償化初年度ということで、倍率急増を警戒し敬遠したということも十分に考えられる。
だが「ワンチャン」的な腕試しでも志願しなかったというのは、そもそも受験する子どもの絶対数が圧倒的に少ない時代ならではなのかもしれない。
そうなのだ、現代の大学受験は、40代や50代以上が経験した受験戦争のような「落とすための試験」だらけのラットレースには、もうならない。つまりそれだけ「子どもがいない」のだ。
■全国で広がる“無償化”の波
いま日本で議論される社会問題が、少なからず急激な少子化による社会変容の影響した結果であることは言うまでもない。そして出生率の低下や少子化の原因の一つとして「子育てコストへの心理的抵抗が大きな障壁となっている」は定説である。
これを受けて、公立校の給食無償化や私立高校の授業料無償化など、教育関連費の無償化トレンドが国レベルでも地方レベルでも急激に広がった。これらは現役子育て中の家庭から大いに歓迎され、特に東京都でいち早く教育関連費の無償化を進めた小池百合子知事などは磐石の支持を得ており、それは昨夏以降の選挙結果で火を見るより明らかだ。
しかし一方で、それは東京都のような北欧一国の予算規模に相当する巨大なメトロポリタンであるがゆえに可能な施策であり、地方とは条件が違うとの指摘もある。財政基盤が比較的弱い自治体では理想と現実のギャップを埋めるための痛み、副作用も生じている。
■地方では公立高の競争力が低下、名門高も定員割れ
例えばもともと公立高のレベルが非常に高く、私立高は角度の違うニーズを埋めるものとして発展した大阪では、家庭の所得レベルを問わずに一律で私立高の学費が無償化されたことで、府立高離れ、定員割れが生じた。その一つである大阪府立寝屋川高校は私の卒業校であり、学区では難易度で2位にある伝統進学校でもあるため、大阪ではショックが広がっている。
授業料以外に、給食費の無償化でも大阪は悪名高い。もちろん地域や学校によって状況はさまざまではあるのだが、年間予算が一定なのに急激なインフレ局面にある現在、材料費高騰で非常に乏しい給食内容へ陥ってしまうケースが多々報告され、「子どもたちがおなかをすかせて帰ってくる」「こんなことなら無償じゃなくていい」と保護者たちから不安不満の声が上がる。安くてお腹いっぱい食べられるのが誇りである食い倒れの街、大阪ならではとも言えようか、幼い子らに食べ物の恨みを植え付けてしまうのは望ましくない。
都立大の「肩すかし」や、地方高校の競争力低下などの事例が示唆するのは、子育て層や子どもたちは無償であることに感謝はするものの、どうやら進路や住む場所などの意思決定は「無償」だけでは動かされないということだ。
■無償化は特効薬になるのか
そしてこれは出産の意思決定にも通じる。女性は、医療費やその後の教育費が無償ですよと聞いて子どもを産むだろうか。二人目以降の出産、つまり1を2に、2を3にする安心材料の大きな一つにはなりうるけれども、ゼロを1にするかというと難しい。
筆者自身も、無償化によって子育て層の経済負担が軽くなることには大賛成だけれど、果たして無償化が子育て関連の社会問題を全て解決する特効薬かというと少々疑問なのだ。
人手不足倒産が続出、失われた30年の末の賃金伸び悩み、そこに世界的なインフレトレンドで物価高。日本の消費者を取り巻く現在は踏んだり蹴ったりだ。子育て層にとって教育関連費の無償化が大歓迎であることに疑いはない。だが膨らむ財政的持続可能性の問題、そして無償化だけでは解決しない教育の質や魅力の問題がある。
※以下引用先で
引用元: ・大阪では名門高の定員割れや貧相な給食に悲鳴…「無償化は特効薬にならない」各地の施策が示す現実 [七波羅探題★]
無償化で解決するんじゃないか
・公立 11万円
・私立 45万円
外国人も対象
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