帝国劇場が地上29階建ての複合施設へ再整備 皇居を望む屋上テラスも設置

三菱地所、東宝、出光美術館は、「(仮称)丸の内3-1プロジェクト(国際ビル・帝劇ビル建替計画)」の概要を発表しました。この計画では、地上29階、地下4階、高さ約155mの複合施設として、帝国劇場と出光美術館を中心に再整備が行われます。工事は2025年度に開始され、2030年度の完成を予定しています。

計画の概要と施設構成

新施設は、劇場、美術館、商業ゾーン、オフィス、低層屋上テラスなどを含む複合構造となります。以下が主な特徴です:

  • 劇場・美術館: 帝国劇場と出光美術館の機能を強化。観劇や芸術鑑賞の裾野を広げ、より多くの人々が快適に文化を楽しめる環境を整備します。
  • 商業ゾーン: 食事やショッピングを楽しめるエリアを設置し、丸の内と有楽町をつなぐ賑わいを創出します。
  • オフィス: 地上6階から29階をオフィスフロアとして整備し、丸の内・有楽町エリアの業務集積を強化します。
  • 低層屋上テラス: 皇居外苑を望む一般開放型の屋上テラスを設置。都心の自然と調和し、癒しの空間を提供します。

帝国劇場と出光美術館の強化ポイント

帝国劇場は、ロビーホワイエを拡充し、来場者が交流できる社交場的な機能を強化。観劇環境の快適さを高めるための空間整備を進めます。

出光美術館は、展示公開エリアを拡大し、東洋・日本古美術の魅力を国内外に発信します。また、教育普及プログラムや文化イベントを通じて、芸術文化の普及に取り組みます。美術館の設計は日建設計が担当し、上質で洗練された空間を創出します。

交通アクセスの強化と地下通路整備

新施設は東京メトロ有楽町線・都営三田線と接続するほか、JR「有楽町駅」とも地下通路で連結されます。この「東西地下通路」は、大手町、丸の内、有楽町エリアの地下歩行者ネットワークを拡充する計画の一環です。

さらに、将来的にはKK線(東京高速道路)の歩行者空間化や、都心部と臨海地域地下鉄との接続向上も視野に入れた計画となっています。駅直結型の利便性を活かし、訪れる人々に快適な移動環境を提供します。

屋上テラスと都市再生の取り組み

低層部に設置される屋上テラスは、皇居外苑に面し、都心の緑を楽しめる空間となります。一般開放されるほか、イベントやMICE(会議や展示会などのビジネスイベント)の会場としても活用される予定です。この取り組みは、街と自然の調和を目指した持続可能な都市づくりを象徴しています。

計画地と都市再生の意義

計画地は東京都千代田区丸の内三丁目で、都市再生特別地区として区域面積約1.4ha、延床面積約176,000m²におよぶ大規模プロジェクトです。デザインは三菱地所設計が担当し、低層部の外装デザインには建築家・小堀哲夫氏を起用。昼夜を通じて統一感と品格を備えた街並みを創出します。

東京の新たな文化拠点へ

このプロジェクトは、丸の内、有楽町エリアのさらなる活性化を図り、東京の国際競争力を高める重要な拠点となることが期待されています。完成後には、文化、ビジネス、商業が融合した新たなランドマークとして、多くの人々に愛される施設になるでしょう。

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