大谷「あなたみたいな人は信用できない」スタスタ 記者「待って!(くっそ、記事で言い訳書いたろ)」
繰り返しになるが、日本ハム時代の大谷の取材対応は1日1回でマンツーマン取材は厳禁。この日は「囲み取材」や会見ではなく、キャンプ施設前の駐車場を横断して宿舎に戻る際に、歩きながら話を聞く「ぶら下がり取材」の日だった。
私が練習の内容、打撃や投球の状態など野球の質問を投げかけたところ、大谷の表情はこわばったまま。いつもと様子が違った。すると、大谷は歩きながら私の方に顔を向けて強い口調で語り始めた。
「僕の(花巻東の)同級生をよく“合コン”に誘っているらしいじゃないですか。そんな人は信用できませんよ」
引用元: ・大谷「あなたみたいな人は信用できない」スタスタ 記者「待って!(くっそ、記事で言い訳書いたろ)」
突然のことに私は弁明しようとしたが、大谷は聞く耳をもつわけもなく、そのまま歩くスピードを上げて宿舎に入っていった。現在までの取材歴10年間で唯一と言っていいほど、本気のトーン、本気の表情で怒られた一件だ。“大谷番”になって以降、取材を兼ねて花巻東の同級生たちと何度も食事を重ねていたのは事実だった。噂を聞いた何者かによって話が脚色され、“合コン”にすり替わったのかもしれない。
大谷に限らず取材対象となる選手のチームメート、コーチ、同級生、家族など周辺から話を聞くこと、いわゆる“周辺取材”は記者の大事な仕事のひとつ。毎日のように1面級の記事が求められる大谷は率先してグラウンド外の出来事を話すタイプではないため、この周辺取材が不可欠だった。
大谷には以前から「僕の同級生のことを記事にし過ぎです」と注意を受けていた。不快な思いをさせたことには変わりない。その後はしばらく大谷に目を合わせてもらえなかった。私の取材メモにこの事実は残していない。思い出したくないからだ。自戒を込めてここに記した。
大谷本人の取材対応がなければ、選手、関係者に話を聞くしかないからだ。どうすればいいか、ベストな取材方法は何か。いまだに答えは出ていない。きちんと節度を持った取材ができているか。自分の心に問い続けながら、今後も取材にまい進したい。
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