マイナンバーカードの一部機能をスマートフォンに搭載する「スマホ用電子証明書搭載サービス」で、対応機種の遅れが問題視されています。2024年の新機種でも対応が進んでおらず、特にGoogle Pixel 9シリーズやGalaxy A55などが未対応であることが指摘されています。これに対しデジタル庁は、「安全性確保のための第三者検証に時間を要している」と述べています。
スマホ用電子証明書搭載サービスとは?
このサービスは、マイナンバーカードの電子証明書をスマートフォンに内蔵することで、物理的なカードを使わずスマホだけで行政手続きや本人確認が可能になる仕組みです。電子証明書はスマホ内のセキュアエレメント(GP-SE)に保存され、マイナンバーカードと同等のセキュリティが確保されています。
主な課題
- 対応機種の遅れ
- 2024年に発売された複数のAndroid端末で対応が進まず、2025年1月下旬以降の対応予定とされています。
- 一部の端末ではすでに対応している例もあるため、進捗が不均一。
- デジタル庁の検証体制
- デジタル庁による検証が遅延の要因となっており、新機種へのタイムリーな対応が課題。
- iPhone対応と比較
- 2025年春に予定されるiPhone対応では、Apple独自のSecure Elementを活用した迅速な対応が期待されています。一方、Android端末の遅延が目立つ。
利用例と将来展望
現状:
- Android: 対応端末でのみ、スマホ用電子証明書を利用可能。
- マイナ保険証利用: 物理カードが不要になる予定だが、Androidの新機種非対応では利便性が低下するリスク。
未来展望:
- iPhoneとAndroidの同時対応: 2025年春、スマホ用電子証明書とマイナ保険証利用が両OSで可能になる予定。
- 拡張機能: 将来的には運転免許証など他の証明書もスマホ内に保管可能になる見込み。
デジタル庁の対応方針
デジタル庁は「有識者検討会と連携し、検証時間の短縮に取り組む」としています。しかし、2025年春までにAndroid新機種の対応を加速しなければ、利便性の格差が問題視される恐れがあります。
この状況を踏まえ、デジタル庁は迅速な対応を進めるとともに、今後の体制作りが求められています。