セブン‐イレブン・ジャパンと三井物産が、環境に優しい物流への一歩を踏み出します。両社は、セブン‐イレブン店舗への商品配送に、使用済み食用油から精製したバイオディーゼル燃料(BDF)100%を活用するトラックを導入する実証実験を、12月26日から兵庫県の共同配送センター「フローズン神戸センター」で開始します。
使用済み油を活用したカーボンニュートラル燃料
今回使用されるBDFは、植物由来の使用済み食用油から精製されたものです。植物は成長の過程でCO2を吸収するため、燃焼時のCO2排出量が事実上ゼロ(カーボンニュートラル)とされています。さらに、軽油と比較して、1リットルあたり約2.62kgのCO2排出削減効果が期待されています。
この燃料は、大阪府や京都府などのセブン‐イレブン約1,500店舗で回収された使用済み食用油を原料として精製され、三井物産流通グループが運営するフローズン神戸センターの配送トラックに給油。主に大阪方面の店舗への配送に使用されます。燃料の調達や供給管理は、三井物産の完全子会社が担っています。
環境配慮型物流の実現へ
実証実験では、燃費や走行データを収集し、今後の車両台数や導入エリア拡大を検討します。両社は、BDFが陸上輸送における脱炭素化の有力な手段であると捉え、事業を通じて環境に配慮した流通インフラ網の構築に貢献することを目指しています。
過去から未来へ続く取り組み
これまでもセブン‐イレブンと三井物産は、水素を燃料とする燃料電池(FC)トラックや電気を動力源とするEVトラックの導入で協力してきました。今回のバイオディーゼル燃料導入は、その流れを受けた新たな挑戦であり、カーボンニュートラル実現に向けた多角的な取り組みの一環です。
未来の物流は、環境と調和する仕組みへと変わりつつあります。セブン‐イレブンの新たな挑戦は、私たちの日常生活にどのような変化をもたらすのか、今後の展開に注目が集まります。