突然ですが子供がいる方に質問です。
「つい冗談で」子供のことをからかったりしていませんか?
アメリカ・カナダ・スウェーデンの共同研究で、親の嘲笑・敵対・拒絶的な教育によって、子供の感情コントロールが機能不全に陥り、いじめの加害者になるリスクが急増する事が判明しました。
しかし、そうした子供たちはいじめ加害者だけでなく、いじめ被害者になるリスクも同様に高まるそうです。
参考文献
https://www.fau.edu/newsdesk/articles/derisive-parenting.php
元論文
https://link.springer.com/article/10.1007/s10964-019-01040-z
親が嘲笑的な教育をすると子供は感情コントロール不全に陥る
研究チームは思春期の少年少女約1400人を対象に、7年生から9年生(13歳〜15歳)の3年間にわたって追跡調査を行いました。
その結果、いじめの加害者や同級生との不和を起こす生徒のほとんどが、子供を頻繁にからかうなど冷笑的・敵対的な態度で接する親を持つ事が判明したのです。
しかも、その親の多くは子供が反発的・挑発的な態度を取っていないにも関わらず、心身共に攻撃的な態度を取っていたのです。
日々、親から批判や皮肉の言葉を受け続けた子供たちは、感情的な機能不全に陥り、怒りのコントロールができなくなっていた事がわかりました。
感情コントロールの障害は、思春期のメンタルヘルスにとって危険なものでネガティブな感情の悪循環を招いてしまいます。
これが深刻化すると、周囲への敵意が増長し、次第に攻撃的な態度を示すようになって人をいじめることでしか発散できなくなるのです。
いじめの加害者だけでなく被害者にもなりうる
さらに特筆するべき点は、このような子供たちがいじめの「被害者」にもなってしまうというところです。
調査結果によると、嘲笑的な親を持つ子供の多くは、誰かをいじめているのと同時にいじめられている状況にありました。
研究主任のブレット・ローゼン氏は「不適切な対人関係は親から子へと伝染し、学校内でのトラブルに繋がります。いじめに関わる子供たちの家庭にある病理を特定することで、深刻な結果に陥るのを予防できるかもしれません」と指摘しています。
また、同氏は「嘲笑的な教育は一時的に無害に見えても、長期的に蓄積してしまうと子供の感情コントロール不全を引き起こす危険性があると理解してほしい」と述べています。