ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、2024年12月16日、トランプ次期大統領の自宅で記者会見を開き、アメリカへの大規模な投資計画を発表しました。この会見で孫氏は、今後4年間で総額1000億ドル(約15兆円)をアメリカに投資し、10万人の新規雇用を創出する計画を明らかにしました。孫氏の投資決断は、AIや生成AI分野を中心に、アメリカ市場でのさらなる事業拡大を見据えたものと考えられています。
参考文献
LIVE: Trump announces $100B SoftBank investment – YouTube
SoftBank CEO and Trump announce $100 billion U.S. investment
https://www.cnbc.com/2024/12/16/softbank-ceo-to-announce-100-billion-investment-in-us-during-visit-with-trump.htmlトランプ次期大統領がソフトバンクグループの孫正義社長と会見 ソフトバンクGがアメリカに15兆円余の投資へ | NHK | アメリカ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241216/k10014669891000.html
会見の概要と発言
記者会見では、孫氏とトランプ次期大統領が並んで登壇しました。孫氏は「トランプ氏が大統領選挙に勝利したことで、アメリカ経済に対する信頼が飛躍的に高まった」と述べ、今回の投資の背景について説明しました。さらに、「トランプ氏は『ダブルダウン(リスクを倍にして賭ける)』の大統領であり、私自身のアメリカ経済に対する自信も2倍になった」と語り、大規模投資の決断に至った理由を明かしました。
一方で、トランプ次期大統領も「2016年の大統領選挙後にソフトバンクは500億ドル(約7兆7000億円)の投資を約束し、その約束は実際に果たされた」と述べ、孫氏との信頼関係を強調。両者が会見中に冗談を交えながらやり取りする姿が見られ、終始和やかな雰囲気が漂っていたそうです。
投資計画の詳細
今回の投資計画では、AIや生成AI分野が中心となることが発表されています。孫氏は会見後のインタビューで、「AIのデータセンター設立や生成AI関連技術の強化を目指しており、アメリカ市場におけるさらなる事業拡大に向けた重要な一手となる」と述べました。また、AI分野の急速な成長が、今回の投資を後押ししたとしています。
さらに、「ソフトバンクグループには何十兆円もの資産があり、多様な資金調達手段が存在する」と自信を見せる発言もありました。この投資は、AI技術を活用した新たな事業展開だけでなく、アメリカ国内での雇用創出や経済成長の促進にも寄与することが期待されています。
冗談交じりのやり取りが示す信頼関係
会見中、孫氏が「トランプ氏との話し合いで『マサ、ダブルダウンで十分なのか?もっと上を目指すべきだ』と言われた」と軽口をたたくと、トランプ氏が「(投資額を)2000億ドル(約30兆円)にする?」と返答し、会場は笑いに包まれました。このようなやり取りから、孫氏とトランプ氏の間には深い信頼と友好的な関係が築かれていることがうかがえます。
トランプ次期大統領の発言
トランプ次期大統領は、孫氏の投資がアメリカ経済に与える大きな影響について強調しました。「これはアメリカにとって歴史的な瞬間だ」と述べ、ソフトバンクの1000億ドル投資が、アメリカの雇用創出や経済成長を促進する重要な要素になると期待を寄せました。また、トランプ氏が掲げる経済政策と孫氏の投資計画が一致している点にも注目が集まっています。
投資がもたらす経済効果
孫氏の発表によれば、今回の投資により10万人の雇用が創出される見込みです。特に、AIデータセンターの設立や関連技術の開発は、新しい産業の発展や地域経済の活性化に寄与する可能性があります。さらに、生成AI分野の成長は、アメリカの競争力を強化し、他国との技術競争をリードする一因となるでしょう。
一方で、今回の大規模投資は他の投資家にも影響を与える可能性があります。孫氏の積極的な姿勢が、他国や他の企業によるアメリカへの投資を促進するきっかけとなるかもしれません。
今後の展望
1000億ドルという巨額投資は、アメリカ市場だけでなく、グローバル経済にも波及効果をもたらすとみられています。特に、AIや生成AI分野での事業拡大が、ソフトバンクグループの成長戦略において重要な役割を果たすでしょう。また、孫氏が示した楽観的な見解が現実のものとなるか、トランプ次期大統領の政策がどのように投資計画を支えるのかが注目されています。