「日本はマンガ・アニメ大国」と言うが…文化産業振興をしたいなら「そもそもやらないといけないこと」
成長を続けていることが発表された。これを日本では「韓国のウェブトゥーン市場は約2200億円」などと報じている人たちがいるのだが、
ちょっと違うのである。それから「この前もなんか数字が発表されていなかったっけ?」と思う人もいるだろう。
韓国はコンスタントに作成される調査報告書が日本よりも多く、それぞれに推計方法も違う。そのあたりの理解がないと「読み方」を
根本的に間違えてしまうのだ。
・ウェブトゥーン産業白書のサマリー
2023年のウェブトゥーンプラットフォームの推定売上高は前年比約25%増の1兆4,094億ウォン、CP社(コンテンツプロバイダ。
日本で言う「制作スタジオ」に近い)は11.1%増の7,795億ウォン。不法複製(海賊版)被害規模は推定約4,465億ウォン。
事業者の主な輸出先は日本40.3%、北米19.7%、中華圏15.6%、東南アジア12.3%。
ウェブトゥーン事業者の34.4%がウェブ小説事業も展開し、事業者が現在企画/制作/流通させているジャンルのトップはウェブ小説でも
人気が高い「ロマンスファンタジー」で48.4%。
ウェブトゥーン作家の年間総収入の中央値は3,400万ウォン、1話あたりの原稿料/MG(ミニマム・ギャランティ)の中央値は78万ウォン。
平均創作日数は週5.9日、1日平均創作時間は10.1時間。このあたりが主要な情報だ。
・「産業」と「市場」の違い
ところで、日本の出版業界では「市場(market)規模」の推計が発表されるのが通例である。出版科学研究所にしろ、インプレスの
電子書籍ビジネス調査報告書にしろ、基本的には小売店(書店など)での販売金額の推計を出している。
読者がいくら買ったのかにフォーカスしている。
一方、韓国では「産業(market)規模」の推計を発表するのが通例だ。「産業」だから視点は読者側ではなく企業側にあり、
「ウェブトゥーン産業白書」でもウェブトゥーン・プラットフォームとCP社の推定売上高の合算を出している。
企業の売上の合計だから、韓国国内の小売店で売れた分に加えてライツ等の売上や海外販売の売上も含まれている。
「産業規模」と「市場規模」はイコールではない。今回の調査では「韓国国内の市場規模(売上高)」は報告書をすべて読んでも
「わからない」(どこにも書いていない)のである。これは日本人の感覚からするとフラストレーションが溜まるところだろう。
しかし、そもそもなぜ日本では「市場規模」で、韓国では「産業規模」なのか。
これは筆者の想像も含むが、日本では1940年代に全取次を廃業させて雑誌と書籍の物流は日配という会社一社に統合し、
戦後に誕生した大手取次は日配の後継会社として雑誌と書籍の一体型流通を担い、膨大な数の出版社と書店をごく少数の取次が
仲介するという独特の産業構造になった。出版業界の情報が集約されるのは取次であり、出版科学研究所はもともとトーハンを母体と
する。したがって取次が把握しやすい書店店頭での売行や返品率を公表するのが当たり前になっていったのだと思われる。
ー中略ー
・推計はあくまで推計にすぎず、何を入れて何を入れていないかの見極めが重要
ー中略ー
なにしろ経産省も文化庁も国内でのマンガの読書率・量やアニメの視聴実態の経年調査すら行っていない。
他国と比べて国民がたくさん読んだり見たりしているのかも数字で示せないのに、それでよく「日本はマンガ・アニメ大国」とか
言えたものだと思う。少なくともそこは見習ってもらいたいところだ。
飯田 一史(ライター)
全文はソースから
現代ビジネス 2/19(水) 6:01配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/2c6d675281d033451be8409979d2ad2059b880a0
引用元: ・「日本はマンガ・アニメ大国」と言うが…文化産業振興をしたいなら「そもそもやらないといけないこと」 [2/19] [仮面ウニダー★]
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