【大阪地裁】小学生女児10人に性的暴行等の罪　男に対し求刑通り『無期懲役』有期刑にとどめるのは困難

　大阪府内で小学生の女の子10人に性的暴行を加えた罪などに問われている男に対し、大阪地裁は18日、検察側の求刑通り、無期懲役を言い渡しました。

　判決で大阪地裁は、「強烈な暴行や脅迫のうえでの凌辱行為は被害女児の人格の根本を傷つける卑劣・悪質の極みであり、女児の精神的肉体的苦痛は想像を絶する。実行可能性を吟味していて、著しく高度の計画性もあり、強固な犯意が認められる」と指摘し、「有期懲役刑の範囲にとどめるのは困難と判断した」と理由を述べました。

■“探偵ごっこ”と称し女の子を尾行し行動確認後…カッターナイフ見せ「殺すぞ」と脅し犯行

　起訴状などによりますと、柳本智也被告（28）は、2016年から2022年にかけて、大阪府内で小学生の女の子10人に対し性的暴行を加えた罪や、女の子の裸を撮影した罪などに問われています。

　柳本被告は集合住宅に帰宅した女の子を部屋に押し込み、カッターナイフを見せて「殺すぞ」などと脅す手口を繰り返していたとされ、これまでの裁判でいずれの起訴内容についても認めた上で「私の身勝手な行いで被害者に精神的苦痛を与え申し訳なく思っています」と謝罪しました。

　いずれの犯行についても、短くて4日前から、長くて約11か月前から女の子を尾行・見張りをし、写真や動画撮影をしながら帰宅時間や家族の在宅状況などをスマートフォンに詳細にメモしていて、このような行動確認を柳本被告が“探偵ごっこ”と称して行っていたことが明らかになりました。

　柳本被告は裁判で「“探偵ごっこ”をする過程で性的暴行を加えようと考えるようになった」と述べています。

■被告「怯えていたという記憶ない」めがねをかけ「別人格に」 検察「更生意思認められない」

　被告人質問で検察から「被害者の女の子が怯えていた様子について記憶はあるか」と尋ねられたのに対し、柳本被告は「犯行当時、女の子を傷つけているという認識はなかった。怯えていたという記憶はない」と答えていました。

　検察は、柳本被告が精神鑑定で精神疾患を装ったり、裁判で「めがねをかけると別の人格になったように思える」と自己保身のため不合理な供述を繰り返したりしていることから、「事件に真摯に向き合っているとは考え難く、改善更生の意思が認められない」と指摘。

　さらに、「被害児童はふとした時にフラッシュバックが起きるなど、現在も精神的トラウマに苦しんでおり、将来にわたり苦しめられる恐れがある」とした上で、「自己の性欲を満たそうという目的達成のため用意周到に準備していて高度の計画性があるほか、一連の犯行は同一地区内で長期間にわたり断続的に行われ、周辺住民に与えた不安も軽視できない」として、無期懲役を求刑していました。

最終更新日：2025年2月18日 14:37