「5秒だけ待って意見を述べる」アンガーマネジメントは恋人との喧嘩でも使える

「6秒待つと怒りが落ち着く」という話を耳にしたことがある人もいるでしょう。

これは様々な場面で使えるアンガーマネジメントで、もちろん恋人と喧嘩してしまった時にも使えます。

イギリスのセントアンドリュース大学は、恋人との喧嘩でイラッとした時に「たった5秒待つだけで恋人への攻撃性が鎮まる」ことを発見しました。

もし今、恋人との喧嘩が多くて悩んでいる人は5秒ルールを実践することで、喧嘩がエスカレートするのを防げるかもしれません。

有名な6秒ルールは恋愛にも有効なのか?

心理学の世界では、自分の怒りを管理する「アンガーマネジメント」というのがよく知られています。
怒りをコントロールすることは、円滑な社会生活を営む上で非常に重要なものとなります。

もし怒りに任せて言動が激しくなってしまえば、周囲との人間関係も壊れてしまいます。

アンガーマネジメントには様々なものがありますが、中でも有名なのが「6秒ルール」になります。
これは怒りが湧き上がってきた時に、心の中で6秒カウントしながら怒りを鎮めるというシンプルな心理テクニックのことを言います。

人間の怒りのピークは長くても6秒と言われています。
6秒間だけ何もせず我慢をすれば、怒りのピークを乗り越えて暴言などの最悪な結末を回避できると考えられているのです。

今回、研究チームはこのアンガーマネジメントが恋人同士の喧嘩でも使えないかを考え、実験で検証してみました。
実験では18〜38歳の平均年齢21歳・81組の男女カップルに被験者として協力してもらいました。

被験者のカップルには互いに競争して対立関係を促し、攻撃的な感情を誘発させるゲームに取り組んでもらいます。
ゲームの内容は下記の通りとなっています。

・お互い面と向かって立ってヘッドホンを装着して反応時間の速さを競う
・ゲームに勝った方は即座に用意された手前のボタンを押して好きな音量の爆音をヘッドホン越しに相手にぶつけることが可能

爆音をぶつけられた方は当然、イラッとします。

これを合計30ラウンド行っていきます。

さらに研究チームはこれとは別に、爆音の攻撃前に強制的なブレイクタイムを挟む実験条件も実施。
これではゲームに勝った側がボタンを押す前に、5秒・10秒・15秒のいずれかのブレイクタイムが実験者によってランダムに挿入され、その間はボタンが押せないようになっています。

いわゆる、6秒ルールに近い時間に当たります。

勝った側はこのブレイクタイム後に、好きな音量を選択して攻撃ボタンを押すことが可能となっています。

また、被験者の表情や声はモニターで撮影されゲーム中の怒りレベルをAIが判断します。

たった5秒待つだけで恋人への攻撃性が減ったことが判明!

実験のデータ分析の結果、被験者の爆音による攻撃行動は怒りの感情レベルによって変わることが判明しました。
結論から言うと、被験者の怒りレベルが高まれば高まるほど、相手に浴びせる爆音の音も大きくなっていったのです。

加えて、恋人間の攻撃性は時間の経過とともに、お互いの攻撃レベルが一致するようになっていたことも分かりました。
他者と喧嘩をするとどちらかの怒りがヒートアップすれば、思わず釣られてもう一方もヒートアップして収拾がつかなくなってしまいます。

ここまでは予想がつく結果と言えるでしょう。

しかし、この実験で発見された最も重要なことは、ブレイクタイムを挟むことで怒りのレベルが下がり、恋人への攻撃性が下がったことが確かめられたことです。
しかも興味深いことに、怒りや攻撃性を低下させるブレイクタイムの時間はあまり関係なく、一番短い5秒間でも10秒・15秒と同じだけの攻撃性低下の効果があったことが判明しました。

この結果は、恋人にイラッとしても“たった5秒間我慢すること”で恋人同士の喧嘩がエスカレートするのを回避できる可能性を示していることになります。

研究主任のアンナ・マカリー氏は「ブレイクタイム後に恋人同士の攻撃性が低下することを実験的に示した研究はこれが初めて」と説明。
その上で「この方法は恋人との口論中にネガティブな感情を抑えるための、シンプルでお金がかからない効果的なライフハックとなるでしょう」と続けています。

思わず恋人にイラッとしたり、恋人と喧嘩しそうな空気になりかけた時は、5秒待つというアンガーマネジメントを積極的に取り入れていってみても良いかもしれません。

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