SNSは1日に何度も見てしまうくらい、今の時代では生活の一部になっています。
X、Instagram、Facebook、TikTokと様々な媒体があり、時間さえあればつい開いてしまうなんてこともあります。
では、SNSにどっぷりとハマってしまう人は一体どんな人なのでしょうか。
一般的に「自己中心的な人で承認欲求を求めてSNSを使う」と考えられてきました。
しかし、アメリカのベイラー大学に所属するジェームス・A・ロバーツ氏ら研究チームは、自己中心的な人は承認欲求ではなく疎外感の緩和を求めてSNSを使っていることを発表しました。
アメリカの研究チームは自己中な人は本当に承認欲求を求めてSNSを使っているのか?に着目

SNSに依存してしまっている…という人は少なくありません。
特に、自分中心の世界で生きている自己中な人はSNSに依存しやすい傾向があります。
その一般的な理由として「自己中な人は承認欲求を求めてSNSを利用する」と考えられてきました。
自己中な人は他人の気持ちや世間のニーズよりも、自分の気持ちや欲望を優先する傾向があります。
また、他人からの承認や賞賛を求めることも多いため、自己顕示欲が強い傾向もあります。
だからこそ、自己中と呼ばれる人たちは自分を誇示したり他人からの「いいね」を求めたりするために、SNSを利用すると考えられてきました。
しかし今回、ロバーツ氏ら研究チームは、一般的な考えに疑問を抱き真実を見極めようと研究を開始しました。
何故なら、人々がSNSを利用する理由は承認欲求だけとは限らないからです。
「FOMO(Fear of Missing Out)」と呼ばれる”疎外感”や“取り残されることへの恐れ”も、SNSへの依存度を高める要素の1つとして挙げられます。
このFOMOとは、他の人が何かを楽しんでいたり、価値のある経験をしたりすることに対して「自分が見逃している」という不安や焦燥感のことを指します。
SNSでは日々、他人の生活やハイライト、楽しそうな瞬間が映し出されています。
それ以外にも「大きなニュース」が報道され、瞬時に拡散されて行きます。
こういった面から一部の人は「他人がやっていることとずっと繋がっていたい」「取り残されたくない」という欲求を解消するため、SNSを利用するわけです。
ロバーツ氏ら研究チームは、いくつかの実験により自己中心的な人がSNSを利用する本当の理由が、FOMOにあるのか承認欲求にあるのかを明らかにすることにしました。
自己中な人は疎外感を軽減を求めてSNSを利用する

研究チームは最初の調査で、成人しているアメリカ人199人を対象に「自己中心性」「FOMO」「SNSの利用状況」について、それぞれ質問票を使って評価しました。
その結果、自己中な人がSNSの利用時間を増やすのは、承認欲求を満たすよりも疎外感を軽減させるためだったということが判明しました。
また、この結果の信憑性を高めるために2つ目の研究では、241人の成人が参加して実施されました。
その結果もまた、最初の研究と同様の結果が得られました。
さらに、より自己中な人だと評価された人は、より高いFOMOを示し、それがSNSの利用に繋がっていることも分かりました。
ロバーツ氏は「この結果は自己中心的な人がSNSを利用するのは、承認欲求を含む自己重要感のためだという長年の仮説に反するものだった」と述べています。
ただ、今回の研究はコロナ禍に実施された実験データを使用しており、社会的交流が限られていたために、参加者全体のFOMOレベルが通常より高まっていた可能性もあります。
それでも、この結果に心当たりあるな…と感じる人も多くいるのではないでしょうか。
自分がSNSをついつい使ってしまう原因を理解し、依存度を下げるというのは、自分の幸せのためにも重要なことと言えます。
適度な距離でSNSを楽しむためにも、他に熱中できるものがないかを探したり考えたりしてみても良いかもしれません。
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