「年間6000羽が焼鳥」と非難された太陽光発電が閉鎖、熱線で蒸気タービン回すアメリカンマッスル方式

2014年に太陽光を集中させる珍しいタイプの太陽熱発電所として建設された「イヴァンパ太陽熱発電所」は、集約された太陽光によって鳥を自然発火させて殺してしまうという批判を長く受けていましたが、経営難に陥り建設から11年で施設の一部を閉鎖することを発表しました。

太陽光発電が太陽光を電力に変換する発電方式なのに対し、太陽熱発電は太陽光を集光して得られた熱を利用してエネルギーに変換する仕組みです。

イヴァンパ太陽熱発電所では、以下の画像のように高さ約140メートルの発電塔の周りにヘリオスタットが10万台以上設置されています。ヘリオスタットは太陽からの光を特定の方向に反射する装置であり、大量のヘリオスタットから発電塔にあるボイラーに太陽エネルギーを集中させることで、湯を沸かして蒸気タービンを駆動させます。

発電所の中を飛ぶ鳥は「ストーリーマー」と呼ばれ、発電所を開発したブライトソース・エナジーの発表では年間1000羽、環境保護団体の専門家の推定では年間2万8000羽が反射された太陽光によって死亡しているとしてイヴァンパ太陽熱発電所は批判を受けました。